当事務所の弁護士が過去に扱った事例を、弁護活動の内容と結果は変えずに、事案を一部改変してご紹介します。
迅速な証拠収集により釈放へ
Aさんは深夜にパチンコ店の駐車場で警察官に職務質問を受けました。
警察官はAさんが違法な薬物を使用しているのではないかと疑って身体検査をしました。
しかし,警察官は何も見つけることはできませんでした。
あきらめきれない警察官は,Aさんから尿を強制的に採取したいと考えましたが,そのためには裁判所の発行する令状が必要でした。
Aさんは,家に帰ろうとしましたが,大勢の警察官たちが,令状が発行されるまでの時間稼ぎのためにAさんを取り囲み帰らせないようにしました。
それでも帰ろうとするAさんを無理やり止めために,Aさんは路上に転倒してケガまでしてしまいました。
連絡を受けたAさんの兄弟が車で迎えにきましたが,警察官たちはAさんがその車に乗ることも阻止しました。
結局Aさんは,警察官に取り囲まれたまま家に帰れずに朝を迎え,令状を持ってきた警察官に警察署へ連れて行かれて尿を採取され,違法な薬物の成分が出たという理由で逮捕されました。
Aさんの弁護人となった当事務所の弁護士は,上記の捜査手続には,令状もないままAさんを長時間留め置いた点で重大な違法があると考え,当日現場の様子をスマートフォンで撮影していたAさんの兄弟から動画を入手したり,病院からAさんのケガについてのカルテや診断書を入手したりした上で,検察官に対して捜査手続の違法性を指摘するとともに,裁判所にAさんを勾留したことについての不服申立てを行ないました。
その結果,Aさんは20日間の勾留の後に不起訴となり釈放されました。