事件別 事例と解説親子げんかで少年審判

当事務所の弁護士が過去に扱った事例を、弁護活動の内容と結果は変えずに、事案を一部改変してご紹介します。

「ぐ犯少年」では無いと認められ不処分

A君はある日、生活態度を口うるさく注意する親と喧嘩になりました。親子の激しい言い合いの最中、A君の親はA君が木刀を手にとるのを目にしました。とっさに、A君から殴られると思った親はその場を逃げ出すと警察に110番通報をしました。

その結果、A君は、親を木刀で殴りつけようとしたことが「保護者の正当な監督に服しない性癖」にあたり、「将来、罪を犯し、または刑罰法令に触れる行為をする虞(おそれ)のある少年」、いわゆる「ぐ犯少年」であるとして、鑑別所に収容され、家庭裁判所の審判を受けることになりました。

しかし、付添人となった弁護士がA君から話を聞いて見ると、「木刀で親を殴ろうとしたことはない。親と口喧嘩の最中、木刀が置いてあったスチールラックに身体がぶつかってしまい、木刀が落ちてきたのでとっさに手を伸ばしただけだ」というのです。

そのA君の話を踏まえて証拠を見てみると、たしかに木刀は喧嘩の時、スチールラックの上に置いてあった様子であり、A君が木刀を手に取るのを見たという親の供述調書の内容も曖昧で、A君の話が嘘だといえる事実はないように思われました。

そこで、付添人弁護士が審判で、そもそもA君が親を木刀で殴ろうとした事実はないのだから、A君を「ぐ犯少年」とは認められないと主張したところ、裁判官はこれを認めて、A君に対して非行事実なしによる不処分の決定をしました。

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