当事務所の弁護士が過去に扱った事例を、弁護活動の内容と結果は変えずに、事案を一部改変してご紹介します。
臨床心理士の協力を得て弁護
地元を離れて埼玉で仕事をしながら暮らしていた少年のA君は短期間に何件もの性犯罪で女性に被害を与えてしまいました。
A君は事件の悪質さを理由に、家庭裁判所から逆送され、裁判員裁判を受けることになりました。裁判では、短期間に事件を繰り返してしまったA君の刑を決めるにあたって、再犯の可能性が重視されると考えた弁護人は、元家庭裁判所調査官である臨床心理士の方に、A君との面接を重ねてもらうだけでなく、A君とお母さんとの面接にも同席してもらい、事件後のA君自身の反省の深まりに加えて、これまで問題があったA君親子の関係の改善について、法廷で証言してもらいました。
A君のした犯行の悪質さが高かったため、判決は検察官の求刑を大きく下回るものとはなりませんでしたが、A君の反省や変化は裁判官・裁判員に伝わった判決となり、A君は判決を受けいれて服役することになりました。